「援け合いの地域文化をつくる」

理事長 熊谷 かの子

 あさみどりの風の基本理念「誰もが援け合いのなかで、共にくらし、共にそだちあう地域文化をつくる」は新法人としての存在意義・使命は何かを話し合うなかで生まれた、かなり大それた理念です。日本全体では高齢化・人口減少ペースが加速的に進み、地域・家庭・職場という人々の生活領域における支え合いの基盤が弱まっていると言われます。そのなかでみよし市は、しばらくは人口増加が予想され、財政健全度も県内でベスト3、災害に強い街ランキングでもベスト3に入るという、とても恵まれた環境です。ある意味、日本全体で課題になっている上記のような危機感は感じにくい地域でもあります。しかし、いつかはやってくる状況であり、みよし市の社会福祉法人として、恵まれた環境であるからこそできることを今から取り組んでいく必要を感じます。

 日々のお母様方との会話からはもちろん、先日のフォーラムあさみどりや父親懇談会でお話をうかがうなか、改めてあさみどりグループの特徴のひとつである「家族と共に」動くなかで育まれた温かな絆を実感しました。本人方の幸せな人生を願い、本人を中心に家族の皆さまと様々な想いを共有しながら、相互で援け合っているこの動きは「援け合いの地域文化をつくる」ことと似通っているように思います。わらびで「家族と共に」育んできた環境が、地域で育まれていたならば、誰もが安心してくらせる地域となっているのではないでしょうか。

 皆さまと共に、そんな地域づくりをしていきたいと思っています。

わらびのある街みよし

                              副施設長 柿下大悟

みよし市には障害福祉施策の方針等をまとめた「みよし市障がい者福祉計画」というものがあります。数年ごとに更新される計画なのですが、2024年度から新たな計画期間がはじまります。この計画は基本理念として「全ての市民が、障がいのある・なしに関わらず、互いに人格と個性を尊重しあいながら共生する地域社会の実現」を掲げ、さらに基本目標として「基本目標1:一人ひとりのライフステージに応じた切れ目のない支援体制づくり」、「基本目標2:障がいがあっても安全に、安心して暮らせる地域づくり」、「基本目標3:互いを尊重し助け合い、支え合う関係づくり」というものをあげています。これらの理念、目標を基に、①権利擁護、②生活環境、③保険・医療、④地域生活支援、⑤療育・教育、⑥雇用・就労、⑦社会参加、⑧障がいの理解、と言った8つの項目にわかれた施策の方向性が示されています。【出典:「みよし市障がい者福祉計画」第3章】

 「障がい者」に関わる計画ですので当然ではあるのですが、私たちあさみどりの風が目指す「誰もが援け合いの中で、共にくらし、共にそだちあう地域文化をつくる」という理念にも通ずる部分も多くあります。法人単独での理念、目標、事業計画も大切ではありますが、それが地域(みよし市)の目指すものとどうリンクしているかを知ることも重要です。自分たちにとって後押しとなること、課題となること(=地域の課題とも捉えられる)等を広い視点で見ることができればより具体的な動きがとれるかもしれません。より詳しい内容については、みよし市のHP等から検索することで閲覧も可能です。私たちの地域のことを知るひとつのキッカケとしてみてはいかがでしょうか。