輪島・珠洲視察②

理事長 熊谷かの子

 今回の視察は、あさみどりの会れいんぼうワークス所長田中雅樹さん(輪島市出身)も一緒でした。彼の実家の辺りの住民は、全員が自衛隊のヘリコプターで救助され、現在は多くの方が仮設住宅暮らしをされているそうです。たまたまその仮設住宅が視察施設の近隣だったので訪問させていただくと、水害後に実家の辺りを取材した報道者と映像を観られているところでした。その映像は、もう、実家の辺りに戻ることは厳しい状況を示すものだったようで、田中さんのお母さまは「水害は地震より質が悪い」とおっしゃっていました。かなりショッキングな映像だったと思うのですが、次にお母さまの口から出たのは「もう、戻るのは難しい。今、仮設で地域の人がまとまって暮らせている。このまま地域の人が一緒に暮らせるように、この先のあの廃校になった学校の土地があれば広くなる。みんなで暮らせるのが良い・・・」という言葉でした。この厳しい現状のなかで、直ぐに次なる最善の策を考えられるその「生き抜く力」に圧倒されました。そして、その背景には地域の縁を育んできた「みんなで」の力が大きいように感じました。

 わらびにも、ご本人を中心に、ご家族・支援者の「みんなで」の空気が流れていると思っています。この「みんな」のなかに、地域の方々が自然と含まれるように地域の縁を紡ぎ、大きな力となる「みんな」の輪を育んでいきたいと思っています。

仮設住宅 田中家はこの木の部分に実家から持参した盆栽が飾られていました。

「こんなことなら、もっと持ってくれば良かった・・・」と

和來メンバーで高齢者施設を訪問しました!

生活支援員 牛迫由梨

 2024年9月23日(月)、和來メンバーでみよし市内にある高齢者施設を訪問しました。和來としては、「地域との交流をより深めていきたい」という思いがあり、店舗営業がない祝日の活動として何か出来ないかを模索していたところ、相談員からの紹介があり、今回の訪問が実現しました。

 訪問が決定したのは実施の1週間ほど前で、その日から披露するダンスの練習が始まりました。新しい曲の練習をするのはとても大変でしたが、営業の合間を縫って何とか形にしようと皆で一生懸命練習に励みました。

 当日は、ダンス4曲を2回披露しました。私自身、1週間という短い練習期間で仕上げたダンスの披露に、「みんな練習通り出来るかな?」「高齢者施設の方々は楽しんでくださるかな?」とやや不安もありましたが、本番で堂々とダンスを披露する和來メンバーの姿に、そのような思いは一気に吹き飛ばされました。圧巻のダンスに、高齢者施設の方々も大いに盛り上がってくださいました。本番のステージでキラキラと輝く和來メンバーの姿を見て、ホッとひと安心するとともに「和來のみんなはスターだな」と改めて感じました。またダンスを披露する場所があれば、和來メンバーで団結して練習に取り組みたいと思います。その時はぜひ皆さんにも、和來のスターたちを見に来てほしいです!

産休・育休を経て

 生活支援員(事務) 田中 桃子

 産休育休を経て、仕事に復職する際の不安ごととして「仕事と育児が両立できるのか?」「周囲に迷惑をかけないか?」ということがありました。そこで、上司と相談させて頂き、時短勤務制度を利用して復職することを決めました。「時短にしたし、通う保育園も無事決まったし、職場への書類提出も済んだからあとは出勤するだけ!」と思っていました。しかし、復帰した直後から、子どもの体調不良で急な早退や欠勤が続き、思うように仕事が進められない・・・。事務員としての仕事は常に期日があり、決まった日までに決まった業務を終わらせなければならないのに残業は出来ない・・・。周りの皆さんに迷惑ばかりをかけている状況のなか、罪悪感を持ちながら働いていました。当然仕事のモチベーションも上がらず、思うように家庭と仕事が両立できないことに挫折感を感じていました。

 夫に相談すると、「自分はどうしたいのか?」と問い返されました。「自分はどうしたいのだろう?」と改めて自分の気持ちを整理すると、家庭と仕事全てがスムーズに行かない事にただやみくもに重きをおいていたことに気付きハッとしました。「自分の大切にしたいこと」や、「仕事や育児の“軸”」を具体的にすることで、漠然と何もかもがダメだと思えていましたが、出来ていることも見えてきました。その1つが思ったよりも早く子どもが保育園に慣れていることでした。そこで、今年度の途中からは時短勤務から通常勤務に変更し、今に至ります。

 悩みや心配ごとを事前に全てクリアにすることは難しいですし、思ったようにならないことも多くあります。そこで大事なのは「申し訳ない」という気持ちに潰されてしまうのではなく、配慮に感謝し、貢献で応えていく気持ちを意識することではないかと感じています。「助けてもらったのだから、自分が助けに回れるときには率先して助ける」という思いを持ち、周囲に支えられている今の状況に感謝をする気持ちをいつも忘れずにいたいです。

「余暇活動の楽しみ方はいろいろ」

 日中サービス管理責任者 國澤 宏登

 日中活動の余暇として、9月下旬よりボーリングに行ってきました。昨年度は、土曜日のイベントとして全員で楽しみました。今年度は、平日に小グループに分かれて(1グループ8人程度)行ったので、場内は空いており、ゆっくりと個々のペースで楽しめている様子でした。

「余暇活動を皆が楽しめるにはどうしたら良いのか?どんな楽しみ方があるのか?」をスタッフで意見を出し合い検討しています。今回のボーリングも、「イベントとして大人数でやることもワクワク感があり、昨年度もとても盛り上がったので、継続でもよいのでは?」「平日に少人数で行くと、その人その人のペースで、よりゆっくりとボーリングを楽しめるのではないか?」などの意見が出ました。先ずは利用者の方々の意見を聞こうと思った際に、経験していないことはわかりにくいだろうということで、今回は後者になりました。

今後、余暇活動を充実させていくために、個々が楽しめるということを目的に、そのためにどんな方法が良いのか?本人方が考える機会を設けるなど、皆でアイデアを出し、より良い時間を創っていきたいと考えています。