暮らしのあり方の意思決定支援

共同生活援助事業所わらび 生活支援員 林健介

 10月3日、4日に福井県福井市で開催された全国知的障害福祉関係職員研究大会へ行ってきました。私が聴講した分科会では、千葉県の施設の支援者がパネリストで登壇され、暮らし方の意志決定支援の話をされていました。「そもそもグループホームという暮らし方を自分から望んで暮らし始めた人は少ない。」という話をされていました。いろいろな暮らしの選択肢が本当はあるということです。ちょうどわらびの利用者の中にも「一人暮らしをしたい」と言っている方がいるので、その意思をどのように尊重すればよいか、今回の研修を参考にして実践していきたいと思っています。

 意思決定が大事というのはその通りなのですが、自分のことを自分で決めるのは実は難しいことですよね。「暮らし方」という大きな意思決定をする前に、今の自分の生活についての小さな意思決定をすることも大切な意思の耕しになると思います。そして大きな意思決定に関してですが、まず自分のやりたい事のおおまかな方向づけからしていくのが大切ではないかと思います。私たち支援者の立場からいえば意思決定支援の前段階の意思形成支援です。そこから何がしたいのか何がしたくないのか、何ができるのか何ができないのかを確認して意思決定に至るのだと思います。

 わらびにおいて暮らし方が変わる利用者がいたとしても、サポートが必要な部分を支援者がサポートをするという方針は変わりません。「地域移行」とは、地域へ追い出して放っておくということではありません。本人の望む暮らし方を一緒に探して見つけることを大切にし、本人もご家族も不安のないサポートを支援者が一丸となってやっていければと思っています。