
7月30日に衣浦東部保健所で開催された『アルコール相談技術対応研修会』に参加し、刈谷病院副院長の浅野医師による「アルコール依存症の基礎知識」の講義を聞きました。講義を通じて、アルコール依存症は単なる飲酒習慣ではなく、脳の神経に異常をきたす病気であり、本人の意思や努力の問題ではないことを学び、これまでの考え方を改めるきっかけになりました。また、精神障害との合併も多く、一人で回復するのは難しいことも実感しました。
特に印象的だったのは「朝食習慣」の例え話です。普通の人はパンがなければご飯やシリアルで代替できますが、依存症の方は夜にお酒がなければ我慢できず、深夜でも買いに行ってしまう。これは意思の問題ではなく、脳の変化による強い欲求だと知り、依存症の本当の姿を理解できました。
体験談では、妻の目を盗んでビールを飲んだり、消毒用アルコールまで口にしてしまう事例が紹介され、理性では抑えられない現実に胸が痛みました。小学2年生の娘が「普段のお父さんは好きだけど、お酒を飲んでいるお父さんは好きじゃない。」と泣いた話も心に残りました。母親は離婚まで考えたそうですが、依存症を病気と理解し、夫と向き合ったことで、本人も「自分ではどうにもできない。助けてほしい。」と気持ちを打ち明け、家族と共に回復に向かえたことがとても印象的でした。
今回の研修を通じ、アルコール依存症は本人だけでなく家族にも大きな影響を与える病気であること、支援者には正論ではなく共感と寄り添いが求められることを学びました。また、趣味や仲間とのつながりなどアルコール以外の「依存先」を増やすことが回復の支えになることも理解できました。今後はこの学びを生かし、本人と家族の両方に寄り添える支援者になりたいと感じました。