今回の視察は、あさみどりの会れいんぼうワークス所長田中雅樹さん(輪島市出身)も一緒でした。彼の実家の辺りの住民は、全員が自衛隊のヘリコプターで救助され、現在は多くの方が仮設住宅暮らしをされているそうです。たまたまその仮設住宅が視察施設の近隣だったので訪問させていただくと、水害後に実家の辺りを取材した報道者と映像を観られているところでした。その映像は、もう、実家の辺りに戻ることは厳しい状況を示すものだったようで、田中さんのお母さまは「水害は地震より質が悪い」とおっしゃっていました。かなりショッキングな映像だったと思うのですが、次にお母さまの口から出たのは「もう、戻るのは難しい。今、仮設で地域の人がまとまって暮らせている。このまま地域の人が一緒に暮らせるように、この先のあの廃校になった学校の土地があれば広くなる。みんなで暮らせるのが良い・・・」という言葉でした。この厳しい現状のなかで、直ぐに次なる最善の策を考えられるその「生き抜く力」に圧倒されました。そして、その背景には地域の縁を育んできた「みんなで」の力が大きいように感じました。
わらびにも、ご本人を中心に、ご家族・支援者の「みんなで」の空気が流れていると思っています。この「みんな」のなかに、地域の方々が自然と含まれるように地域の縁を紡ぎ、大きな力となる「みんな」の輪を育んでいきたいと思っています。
仮設住宅 田中家はこの木の部分に実家から持参した盆栽が飾られていました。
「こんなことなら、もっと持ってくれば良かった・・・」と