どんな暮らしがしたいでしょう?

共同生活援助事業所わらび サービス管理責任者 中野悦子

 みなさんは今、誰とどんな暮らしをしていますか?そしてこれから先、誰とどんな暮らしがしたいですか?今の暮らしに大満足ですか?できればこうしたい。本当はこんなことができればいい。と思うことはありますか?なんてことを、ちょっと掘り下げて考えてみたことはありますか?

 人は誰でも自分が望む生活を送りたい、自分の生活は自分で決定したいという願いを持っていると思います。「障害」を理由に、このあたりまえの願いを叶えられなかったり、選択の機会に恵まれないということはないでしょうか?

 これまでの障害福祉の歴史では、どちらかというと「障害を持つ方の将来の生活=グループホーム?入所施設?」といったイメージが強かったのではないでしょうか。しかし、現在は本人の権利を尊重し、本人の意思決定を大切にした支援がより求められています。「自分の生活を自分で決定する」ことは本来あたりまえのことです。しかし実際は、障害を持つ方が自分の望む暮らしをイメージし、決定することは、ご本人にとっても、ご家族にとっても、私たち支援者にとっても、容易なことではないのかもしれません。それでも、誰のためのサービスなのか、もう一度原点に戻り、ご本人が望む暮らしをあれこれと一緒に考えたり、体験を重ねながら少しずつイメージを膨らませ、実現に向け動いていきたいと思います。

 あさみどりの風には(あさみどりの会時代から)、既存の制度にとらわれず、ご本人、ご家族、地域にとって必要な機能を一緒に創り出し、形にしてきた歴史があります。こうした精神を大切に、これからも「本人」に焦点をあてて、本人が望む暮らしや、生活を創造していきたいと考えています。