夫に相談すると、「自分はどうしたいのか?」と問い返されました。「自分はどうしたいのだろう?」と改めて自分の気持ちを整理すると、家庭と仕事全てがスムーズに行かない事にただやみくもに重きをおいていたことに気付きハッとしました。「自分の大切にしたいこと」や、「仕事や育児の“軸”」を具体的にすることで、漠然と何もかもがダメだと思えていましたが、出来ていることも見えてきました。その1つが思ったよりも早く子どもが保育園に慣れていることでした。そこで、今年度の途中からは時短勤務から通常勤務に変更し、今に至ります。
悩みや心配ごとを事前に全てクリアにすることは難しいですし、思ったようにならないことも多くあります。そこで大事なのは「申し訳ない」という気持ちに潰されてしまうのではなく、配慮に感謝し、貢献で応えていく気持ちを意識することではないかと感じています。「助けてもらったのだから、自分が助けに回れるときには率先して助ける」という思いを持ち、周囲に支えられている今の状況に感謝をする気持ちをいつも忘れずにいたいです。
令和6年元日に起きた能登半島地震においては、多くの福祉事業所が甚大なる被害を受けました。愛知県知的障害者福祉協会では広域避難を受入れ、指定避難所を開設して2か月間支援を続け、あさみどりの風のスタッフも様々な形で支援に入りました。その場で被災状況を現地の方の生の声をお聞きするなか、愛知県で今後起こり得る大規模災害の防災対策や被災後の応援体制等について、できる限りの準備を行っていく必要性を痛感し、協会加盟事業所が組織的に対応していくことを目的に今年度、防災委員会が立ち上がりました。(私は副会長として共に動くことになりました)
協会としては、新型コロナウイルス感染症が猛威を奮った際は、クラスターとなった事業所への応援体制を組織的に行っていました。しかし、震災となると同時期に多くの事業所が被災することが想定され、支援体制も同じようにはいかないと予測されます。正直、未知のことが多くわからないことばかりなので、10月6~7日に防災委員と協会役員で、福祉事業所の現状や実効性のあるBCPについて学ぶと共に、障がいのある方の地域生活の復興を知るために、輪島・珠洲へ視察に行ってきました。
こ の計画を立てたのは今春のことでした。この時、まさか能登に次なる災害が起こるとは思ってもみないことでした。9月の能登半島豪雨により広域避難されていた方々の事業所の1つは1階が床上浸水し、泥が入り込み使えない状況となっていました。また1軒のグループホームも近くの崖が崩れ始めているということで、緊急避難を余儀なくされていました。関係者の方はその状況を「二重災害」と表現されていましたが、復興に向け頑張っていたところなので、その気持ちの落ち込みはただならぬものだということは想像に難くないものであり、南海トラフ地震を思うと他人事ではないと気持ちが引き締まりました。(続きはまた)
現在日中活動では、生産活動を中心としたプログラムのなかに時々レクリエーションを取り入れ、利用者の皆さんが役割をもつなかでやりがいを感じながら、楽しく生活が送れるような活動の提供に努めています。今後については利用者の方の年齢が上がっていることに応じて、日中活動の在り方・活動内容も変化させていく必要があります。その次のステージに向け動こうとしている今、気になることもあります。
あさみどりの風のスタッフ間には、利用者の方の想いに寄り添うことを大事にし、ひとり一人の意見や想いを尊重し合ったチーム支援が行えるような風土はあると感じています。それは良いことだと思っていますが、近頃(その風土を保たなければ)という思いが強すぎることでの遠慮や発言のしにくさを感じることがあります。私も正直なところ遠慮して言葉を飲むこともあります。お互いを想い合うことがいけないとは思ってはいませんが、利用者支援においては、必ずしも良いとはいえないこともあると感じています。
スタッフが気を配るべきは利用者の方です。私たちスタッフの目標は「利用者の方々の幸せ」であり、気を使うべきは利用者の方々であることを忘れず、次のステージに向け進んでいきたいと思っています。そのためにも、現在あさみどりの風がもっている風土を大事にしつつ、自分たちは何ができるのか?ということを、皆でワクワクしながら意見を出し合えるチームへの成長を目指します。そして、利用者の方と共に「皆が幸せ」と感じる次のステージを築き上げていきたいです。
人口減少、超少子高齢化、一人暮らし世帯の増加等、社会の様相は大きく変化しています。それに伴い障がい分野では、「障がいがあっても地域で生活が続けられるよう支援する拠点等の整備」が自治体ごとに進められています。みよし市では障がい福祉関係者だけでなく、地域住民や企業等の理解や協力を得て、「障がいのある・なしに関わらず、互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会の実現」を目指しています。また高齢分野では、全ての市民が「生まれてからずっと、安心して暮らせるまち」の実現を目指し、福祉・医療・介護の連携を強化しながら、ネットワークづくりを推進する「みよし市独自の地域包括ケアシステム」の構築に取組んでいます。
それぞれの取組を進める中、地域共生社会を実現するためには、子ども・障がい者・高齢者・生活困窮者といった対象者ごとの支援体制だけでは、皆さんが持つ様々なニーズへの対応は出来ないことがはっきりと課題として出てきました。そこで、今年度10月より新たな取組として、おかよし地域包括支援センター内で重層的支援体制整備事業モデル事業が開始されます。重層的支援体制整備事業とは複雑・複合課題を抱えた世帯(ヤングケアラー・8050・多重債務・孤立等)を福祉・医療・介護などの各制度・分野にこだわらず、 「包括的に支える仕組み」をみんなで創っていく事業です。みよし市では地域包括支援センター、障がい者相談支援専門員、コミュニ ティソーシャルワーカーが協働して動きます。わらびからも障がい者相談支援専門員がこの事業に加わります。
(参考)厚生労働省「重層的支援体制整備事業の実施について」
第7期みよし市障がい福祉計画・第9期みよし市高齢者福祉計画
福祉・介護で働く人手が足りないと言われて久しく、今後を考えると、何か手を打たなければ事業経営自体が厳しくなるのは必至と思っています。
その一つの対応として、11月より特定技能の外国人労働の方2名の受け入れを開始することとしました。特定技能は、2019年に創設された在留資格で、人手不足が深刻な特定産業分野で外国人労働者を受け入れるために国が決めたものです。
当法人と長く深いお付き合いのある他団体の方が、特定技能や技能実習を取り扱う管理団体に転職され、その方から特定技能についてお聞きし、オンライン(ZOOM)を利用して、異国間での面接をする運びとなりました。
複数名の方と面接をさせていただくと、どの方も日本での労働に対する真摯な姿勢は画面越しでも伝わってきて、20代前半の若い年齢で自分や家族のため、遠い国でチャレンジしようとする姿に強い感動を覚えました。特定技能で労働するには、日本語能力試験でN4相当の語学力が必要で、みなさま能力試験をすでにパスしているとのことでした。
求人において、差別なく公平性が求められる現代、外国人雇用を特別視して扱う事も差別につながり、慎重な対応が求められます。しかしながら、異文化で暮らしてきた方たちが、日本で安心して働くためには、双方に配慮や歩み寄りがないと、その実現は難しいと思います。私たちは、どんな人でも差別なく、安心して暮らせる社会の実現を目指す支援者です。違う文化で暮らしてきたという背景がありながら、大きな期待と真摯な気持ちで日本に来る外国の若者たちに、がっかりされないような雇用機会の提供と障がい支援という仕事のやりがいを感じていただけるよう取り組んでいきたいと思います。
平成元年8月に開催された水の恵みに感謝して池に舟を浮かべ、その上に山型の提灯を飾り、祈願船とともに奉る大御饌調進祭(おおみけちょうしんさい)が、三好池まつりの始まりです。平成2年からは花火を打ち上げるようになり年々盛大なってきました。その三好池まつりが今年も8月5日に開催されました。
今年度、商工会より「障がいのある方の社会参加」、「障がいのある方との協働」、「障がい福祉の啓発」などの目的で、花火会場のDustステーションでのゴミの分別、夏の大縁会会場での物販などのボランティア活動ができないだろうか?と、みよし市役所福祉課に相談があり、みよし市くらし・はたらく相談センターとして取り組むこととなりました。そこで、市内の福祉事業所、相談支援事業所などに声をかけ、事業所職員や相談支援専門員と当事者の方の参加を募りました。
当日はあさみどりの風からも、職員と利用者さんが自主製品の販売やDustステーションでのゴミの分別などの活動に参加をしました。また、あさみどりの風以外の市内の当事者の方と相談員もボランティアとして参加をされていました。その中には障がいの特性上、他者と関わることに苦手さを感じたり、生活上の困難さを抱えながらも地域の中でお互いに助け合いながら1人で生活されている方々もみえます。そんな当事者の皆さんがとても暑い中で一生懸命にゴミ回収などの活動をされ、会場に来ている人からは、「ご苦労様」「ありがとう」などの声をかけてもらっていました。「障がいの有無にかかわらず、みよし市の一員として」ということを感じられた時間でした。皆さん本当にお疲れさまでした。
みなさんは今、誰とどんな暮らしをしていますか?そしてこれから先、誰とどんな暮らしがしたいですか?今の暮らしに大満足ですか?できればこうしたい。本当はこんなことができればいい。と思うことはありますか?なんてことを、ちょっと掘り下げて考えてみたことはありますか?
人は誰でも自分が望む生活を送りたい、自分の生活は自分で決定したいという願いを持っていると思います。「障害」を理由に、このあたりまえの願いを叶えられなかったり、選択の機会に恵まれないということはないでしょうか?
これまでの障害福祉の歴史では、どちらかというと「障害を持つ方の将来の生活=グループホーム?入所施設?」といったイメージが強かったのではないでしょうか。しかし、現在は本人の権利を尊重し、本人の意思決定を大切にした支援がより求められています。「自分の生活を自分で決定する」ことは本来あたりまえのことです。しかし実際は、障害を持つ方が自分の望む暮らしをイメージし、決定することは、ご本人にとっても、ご家族にとっても、私たち支援者にとっても、容易なことではないのかもしれません。それでも、誰のためのサービスなのか、もう一度原点に戻り、ご本人が望む暮らしをあれこれと一緒に考えたり、体験を重ねながら少しずつイメージを膨らませ、実現に向け動いていきたいと思います。
あさみどりの風には(あさみどりの会時代から)、既存の制度にとらわれず、ご本人、ご家族、地域にとって必要な機能を一緒に創り出し、形にしてきた歴史があります。こうした精神を大切に、これからも「本人」に焦点をあてて、本人が望む暮らしや、生活を創造していきたいと考えています。
あさみどりの風の基本理念「誰もが援け合いのなかで、共にくらし、共にそだちあう地域文化をつくる」は新法人としての存在意義・使命は何かを話し合うなかで生まれた、かなり大それた理念です。日本全体では高齢化・人口減少ペースが加速的に進み、地域・家庭・職場という人々の生活領域における支え合いの基盤が弱まっていると言われます。そのなかでみよし市は、しばらくは人口増加が予想され、財政健全度も県内でベスト3、災害に強い街ランキングでもベスト3に入るという、とても恵まれた環境です。ある意味、日本全体で課題になっている上記のような危機感は感じにくい地域でもあります。しかし、いつかはやってくる状況であり、みよし市の社会福祉法人として、恵まれた環境であるからこそできることを今から取り組んでいく必要を感じます。
日々のお母様方との会話からはもちろん、先日のフォーラムあさみどりや父親懇談会でお話をうかがうなか、改めてあさみどりグループの特徴のひとつである「家族と共に」動くなかで育まれた温かな絆を実感しました。本人方の幸せな人生を願い、本人を中心に家族の皆さまと様々な想いを共有しながら、相互で援け合っているこの動きは「援け合いの地域文化をつくる」ことと似通っているように思います。わらびで「家族と共に」育んできた環境が、地域で育まれていたならば、誰もが安心してくらせる地域となっているのではないでしょうか。
皆さまと共に、そんな地域づくりをしていきたいと思っています。
みよし市には障害福祉施策の方針等をまとめた「みよし市障がい者福祉計画」というものがあります。数年ごとに更新される計画なのですが、2024年度から新たな計画期間がはじまります。この計画は基本理念として「全ての市民が、障がいのある・なしに関わらず、互いに人格と個性を尊重しあいながら共生する地域社会の実現」を掲げ、さらに基本目標として「基本目標1:一人ひとりのライフステージに応じた切れ目のない支援体制づくり」、「基本目標2:障がいがあっても安全に、安心して暮らせる地域づくり」、「基本目標3:互いを尊重し助け合い、支え合う関係づくり」というものをあげています。これらの理念、目標を基に、①権利擁護、②生活環境、③保険・医療、④地域生活支援、⑤療育・教育、⑥雇用・就労、⑦社会参加、⑧障がいの理解、と言った8つの項目にわかれた施策の方向性が示されています。【出典:「みよし市障がい者福祉計画」第3章】
「障がい者」に関わる計画ですので当然ではあるのですが、私たちあさみどりの風が目指す「誰もが援け合いの中で、共にくらし、共にそだちあう地域文化をつくる」という理念にも通ずる部分も多くあります。法人単独での理念、目標、事業計画も大切ではありますが、それが地域(みよし市)の目指すものとどうリンクしているかを知ることも重要です。自分たちにとって後押しとなること、課題となること(=地域の課題とも捉えられる)等を広い視点で見ることができればより具体的な動きがとれるかもしれません。より詳しい内容については、みよし市のHP等から検索することで閲覧も可能です。私たちの地域のことを知るひとつのキッカケとしてみてはいかがでしょうか。