「安心・安全なくらしを目指して」

相談支援事業所わらび 深田明男

  南海トラフ巨大地震が40年以内に90%以上の確率で起こると言われていますが、準備ができていないと感じる時が多くあります。実際に災害が起きた時に支援が必要となる障がいを持たれている方や高齢者などの避難行動要支援者と言われる方々が、安否確認も含めどのように避難していくかを具体的に決めていく必要があると感じています。みよし市災害時避難行動要支援者登録をしてもらうと個別支援計画を作成する流れになっています。計画は各行政区の自主防災会が作成となっていますが、実際は「相手を知らなかったりして難しい状況」とお聞きしました。地域包括支援センターや基幹相談センターは専門職で高齢者や障がい者の生活状況を把握しています。しかし、災害時に地域にいないことも想定され、また地域とのつながりや災害時の知識が少ないというのが実情です。反対に地域の方は、常にその地域にいて、災害に対する知識がある人もみえます。ですから、お互いの良いところを組合わせていくことで、対象となる方々の安全確保につながっていくのだと考えています。まずは関係機関と地域との距離を縮めることからスタートし、防災の知識も教えてもらいながら避難体験などを一緒に行い、障がいを持った方などの生活実態を知ってもらった上で協働で計画作成をしていけたらと考えています。

 そのための一歩として、また重層的支援の取組を知ってもらうため、11月24日に開催された三好丘行政区の防災訓練にボランティアとして参加しました。支援している方の家族から「今日はどうして来てるの?」と尋ねられるたびに理由を伝えると知り合いを紹介してくれました。「ちょっとは、顔が知ってもらえたかな?」と感じる瞬間でした。参加をきっかけに地域の防災士から能登の震災を通して今後の取組への助言を頂くこともできました。今後は、各行政区の自主防災会の方々と一緒に話し合いを重ねながら災害時に備えていきたいと思っています。

2025年が始まりました。

副施設長 柿下大悟

 新年明けましておめでとうございます。本年も皆様にはあたたかいご支援を賜りたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

社会福祉法人あさみどりの風は、2020年10月に前法人であるあさみどりの会わらび福祉園から運営を継承して事業を開始し、2024年の10月からは5年目に入ることとなりました。

あさみどりの風の理念である「誰もが援け合いの中で、共にくらし、共にそだちあう地域文化をつくる」は、障害を持った方の支援という枠を超え、人と人とのつながりを深め、地域に住む全ての方々が共生する社会の実現を目指しています。その根幹には、誰もが「孤立することなく、援け、支え合いながら生きる権利」を持つという考え方があり、また、それを実現するための地域文化の育成が含まれていると考えています。

「理念」と言うととても崇高で身近ではないと捉えがちになってしまいますが、日々の営みの中にも理念へと繋がることは多く含まれています。今月のブログでは3人の方が記事を投稿してくれていますが、防災や和來の活動等の地域での活動は「地域文化をつくる」ため取り組みそのものですし、意思決定支援は「誰もが援け合う」ために必要不可欠な要素です。理念とは難しい行動や思考で達成していくものではなく、私たちが普段行っていることの延長線上にあるのだと考えています。

「誰もが援け合いの中で共に生きる」ということは、障害の有無に関わらず、すべての人々が幸せに生きるために必要なことです。法人設立5年目という節目を迎え、この理念を共有し、行動に移すことで、より豊かな地域社会を築くことができると考え、日々を歩んでいきたいと思います。

わらび開設当初(前法人)の写真です。そこから40年以上にわたり理念を繋いできました。